レジェンドストーリー
タイトル「Iさんの自分さがし」 チーム名「すたじおぽっち」
約2年前、ぽっちにやってきたIさん。ぽっちに来た頃は、心身ともに錯乱した状態でした。
高校を卒業し、作業所に通うようになり、休みがちになり‥。少しずつ心のバランスが崩れていったIさん。卒業後の環境変化や青年期という多感な時期に、Iさんは何を感じてきたのでしょうか‥。
錯乱した状態で、「幼稚園の時は普通だったの。」「私、なんで障害者になったんだろう。」と話したこともありました。
Iさんの力になりたいと、相談員やヘルパー、訪問看護士、ショートステイ担当者、ご家族が集まって、支援会議を重ねました。色々な支えがあって、Iさんは穏やかさを取り戻してこられました。
ぽっちでは、墨絵や貼り絵、パステル画、園芸‥色々なことに挑戦されています。最近では、子どもたちとのイベントで司会を果たされました。
昨年10月に神戸アートビレッジセンターで開催したぽっち作品展では、Iさんのパステル画&貼り絵を展示。「Iさんにとって表現することはどういうことなんだろう‥」をスタッフで考え、『自分さがし』という言葉がぴったりだなと、見出し文を付けました。
「表現とは、自分さがし。してみたかったこと。知らなかったこと。1つ1つ私らしさを見つけていく。」
相談員やご家族がIさんの作品を見に来てくれました。嬉しそうに作品を紹介するIさん。その姿は、少し誇らしげにも見えました。
自分を見付けていくIさんの、ほんの少しのお手伝いができることを、嬉しく思っています。
そして、これからのIさんがとても楽しみです。
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先日の新年度パーティで理事長より選出&表彰していただきました。
ありがとうございます。
このストーリーの行間には様々な登場人物やエピソードがあります。400字には収まらないエピソードをご紹介します。
当時、ご家族は在宅生活や将来への不安でいっぱいで、施設入所を切実に考えておられました。近隣の入所施設に空きはない…。本当に入所がいいのかな…。
そんな迷いの中、「ショートの見学いつでもおいで!」と応えてくれたのは、大地の家と木の根学園。同時に、在宅生活を支えるために複数の事業所、人による支援がスタート。
少しずつ、ご家族の不安や負担を分かち合っていきました。
ほんの少しの時間や心の隙間ができたことで、ご家族、そしてご本人に変化が表れました。
木の根学園のショートを利用した翌朝。お迎えに行った車内で、「家族に素直になれない。」「自分を見つめ直したい。」とぽつり話されたIさん。すっきりした表情でした。そんなことを考えていたんだ…としみじみ感じたことを思い出します。ご家族も「少しゆっくりできました。」と穏やかに話されていました。
たった一泊二日のこと。でも、とても大切な時間だったと思います。
その後、ぽっちで過ごせる時間が少しずつ増え、通所日数が増え、座っていられる時間が増え、創作に向き合う時間が増え・・・今回のストーリーにつながっていきます。
ぽっちメンバーも助けになりました。毎日、通所されているIさんが支えになっていたとのこと。
今も仲良しです(^^)
この賞は、ご本人・ご家族始め、丁寧に関係をつないでくれた相談員さん、そして一緒に支えてきた多くの支援者の方々とともにあります。
生活基盤が大事。当時の彼女にとってはご家族がとても大きな存在でした。その関係が揺らぐ中では、チャレンジどころか次を考えることなんてできません。
ご本人・ご家族それぞれが抱える不安や葛藤に寄り添い、また前を向けるようになって、その次に私たちぽっちの支援があるんだと…、改めて教えてもらいました。
すたじおぽっちは、表現活動をしています。と言っても、特別な指導をしているわけではありません。安心して自分を出せる場所や関係をつくること。それだけです。
一見、みんなバラバラですが、お互いに尊重し合いながらこの場が作られています。それぞれが自由に過ごす中にいて、Iさんも少しずつ自分を表現し始めたところです。
ここまでは、回復のストーリー。
Iさんとご家族のこれからを、また一緒に歩んでいきたいと思います。
最後に・・・
上手にまとめてくれた田中さん、ありがとう!