管理者ブログリレー④

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管理者ブログリレー④

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法人事務課課長・すたじぽっち管理者 岡平ゆかり

 

申し訳ございません。バトンキャッチが遅くなりました。入社20年、あっという間に姿も形も年を重ねてしまい、何をするにも若干時間を要するようになりました(笑)。

20年前と今も変わらないのは静かに燃える熱い思いと仕事に対する姿勢だけでしょうか。なんてかっこいいことを言いたいところですが、平成10年法人設立以来、紆余曲折いろんなことがありました。

平成12年 社会福祉法施行。介護保険法制定と同時に福祉業界に民間企業参入。

平成15年 措置費制度から支援費制度へ。事業者と個人のサービス契約の時代に。

(心の声:知的障害を持つ利用者さんに契約書で説明をするなんてそれが本当に権利を守ることになるのだろうか?!)

平成18年 障害者自立支援法施行。

(心の声:サービス料金の自己負担って今まで払わなくてよかったお金をみんな払ってくれるだろうか?年金で賄える利用料設定はとても難しい。でも彼らの生活を守るためには経営も考えないといけない。これが新しい福祉?!)

平成19年 新体系移行。

(心の声:小規模作業所、小規模通所授産施設、貴和も双葉もふぁみりあもこねくとものぞみもみんなまとめて障害福祉サービス事業所へ。入所施設大地の家からも地域へ。それぞれの事業所の特色をさらに明確にしてこれでなんとか時代に合わせて経営基盤を整えられる?!同時に箱型福祉を脱却して可能な限り「個」に焦点を当てた支援を。そのためなら事務作業が面倒になっても頑張ろう!!)

平成25年 障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)施行。

平成29年 社会福祉法改正。

めまぐるしく変わる法律と社会の仕組み、そしてそれを取り巻く福祉に対する考え方、多様化する価値観・・・そんな中でも大きく揺るがない明桜会の姿勢。利用者、家族、職員、役員、一人一人の出し惜しみのない協力があったからこそ法人の確固たる基盤づくりと事業所運営が継続されてきたと思います。明桜会はどんなときも私利私欲に振り回されない誠実な人間の集まりだと実感することが多かった。それが20年ここ明桜会で私が働けた理由です。

 

現在、私は2つの部署の管理をさせていただいています。

まず「法人事務課」の仕事は毎月600件以上の支援費請求事務に始まります。今月はとある事業所のちょっとしたミスと行政からの通知の訂正もあって過誤請求含め800件以上の処理をしないといけませんでした。また月締めの会計処理は法人全体で35のサービス経理区分があります。それらをまたがる経費の按分処理やお世話になっている業者さんへの支払いを済ませ、利用者の方からの支払状況の確認をして、未収金や未払金等、資産と負債、収入と支出の管理をします。月の後半は総勢250人にもなった大切な職員の給与計算事務があります。もちろんその合間には官公庁(厚労省、県、市、労基署等々)に提出する書類や支援費以外の補助金や助成金関係の書類作成があります。今年度は新規事業(あいすくりーむの家、共生型サービスかいのきやこねくとの定着支援事業)の準備もありました。でも優秀な事務スタッフは黙々と(時にはものすごい顔?で)PCに向かい業務を遂行します。時々ドア越しに聞こえてくるスタッフと利用者さんの笑い声や歌声に思わず吹き出したりしながら、励まされ、いつも笑顔で仕事をこなしてくれています。法改正や制度移行時には行政の通知通達や説明会資料を読み込んで多大な事務量しかも質の高い仕事をしてくれます。月次の仕事、年次の仕事、期日のある仕事、それぞれがそれぞれの仕事に責任を持って自ら学習し、組み立て、進めていきます。設立当初は大地の家1つだけでしたので、私1人で実務もできました。時が経ち大きくなった事業体ではそれぞれの業務を分担し、それぞれの役割を全うしないと法人運営は成り立ちません。イレギュラーなこともたくさんあります。より専門的により細かくよりたくさん勉強しないといけなくなりましたが、常に前向きに頑張ってくれるとても優秀な事務スタッフのおかげで明桜会のたくさんの事業が成立しています。

 

また、一昨年から管理者をさせていただいている「すたじおぽっち」ですが、こちらはアートを通して利用者さんの生活を支援するちょっと個性的な事業所です。実はアートなんてさっぱりわからない(自称熱血アスリート系?の)私がここの管理者をしているのはとても不思議なのですが、ここのスタッフは見事なまでに利用者さんの「個性」を尊重し「もっている力」を引き出します。利用者さんに寄り添う姿は「ピカ一」です(もちろん管理者は皆自分の事業所が「ピカ一」だと思っていると思います)。障害を持つ人の「力」をアートを媒介にしてひとつの個性として表出させ、多様性を認めてもらうために社会に挑戦し続けます。そんな活動や支援をしている姿が私は大好きです。日常業務やイベント活動にはほぼ口を挟まず大事なことの報連相だけで業務が遂行されていきます。ここのスタッフも皆とても優秀で、とても信頼できるスタッフなのです。

 

いつのまにか、管理者という立場で多方面のことを管理監督する立場になりました。

20代で初めて福祉施設に就職したときには何もわかりませんでした。社会福祉法人の事務も会計も給与も労務も知りませんでした。初めて勤務した施設では知的障害のこともわからないまま平日は事務以外にも行事引率や見守り、週末にはボランティアでキャンプやイベントに参加しました。彼らのことを何も知らないため何もできないからちゃんと支えられるようになろう、ちゃんと仕事ができるようになろうと思って必死になっていたら、逆に仕事に魅せられていきました。日々人とぶつかったり、共感したり、涙したり、喜んだり、落ち込んだり、舞い上がったり…もしかしたらそんなふうに素直に気持ちをむき出しにしてやっていた頃のほうが楽しかったかもしれません。でもそんな若かりし頃の積み重ねがあったから今の仕事も成立しています。今も昔も仕事の原点は変わりません。

私の仕事は障害のある方の生活を支えることです。そして彼らの生活を直接的間接的に支えてくれるスタッフを大切にすることです。そのために明桜会が最大限いい法人であり続け、それぞれの事業所が最大限自分たちの魅力を発揮し続けられるように、私自身には何の特別な力もないからこそ毎日悩みながら決まった答えのない仕事と奮闘させていただいています。